かつては公立小中学校で知能検査が実施されていたものですが、今はほとんどおこなわれていません。いくつかの理由がありますが、その一つに「8歳でIQを調べても12歳でIQを調べても、個人のIQには変化がないから知能検査を実施する必要はない」ということがありました。その結果「IQは生まれつき遺伝で決まっている」という説が有力になりました。
しかし、それは完全な間違いでした。
IQは3歳(広義では6~7歳)までにいかに多彩かつ良質の経験をしてより多くのシナプスを発達させ、脳回路のネットワークを豊富に育てるか?、で決定するのです。
頭の良さは遺伝ではなく0歳~3歳期の育児によって決定されるといってよいのです。
知識の詰めこみ・丸暗記だけならば6歳以降でも努力次第でできますが、考える力・創造する力・解決する力など本当の意味での「頭のよい子=一般的にいう”地頭のよい子”」に育てるには、3歳までの環境で80%、6歳までの環境で90%が決まってしまうのです。
3~6歳までに望ましい生育環境になければその子の才能はほぼ凡庸の域に留まる可能性が高いでしょう。また、その年齢までにしか習得できない能力もあります。この年齢の事を臨界期といいますが、一定の音域を聞き取る能力などは9歳が臨界期で、絶対音感や英語の正確なヒアリング能力はこの時期を逸すると二度と身につかないといわれます。英語のLとRの発音の母国語レベルでの聞き分けは0歳6ヵ月が臨界期とされています。
「人間の脳は3歳までに80%まで完成する」の項でスキャモンの成長曲線、脳・神経系の発達について述べましたが、最近新たなかつ衝撃的な研究結果が報告されました。その研究では4歳から19歳の子ども達をIQ値で3階層に分け、脳皮質の変化を調べました。脳皮質が厚いと脳内の伝達回路(ニューロン・シナプスによる電気信号伝達)の働きがスムーズになります。
さて、結果は?
知能平均群(IQ83~108)は7歳頃に厚みのピークを迎えたのに、知能上位群(IQ109~120)は9歳まで厚みを増していきました。ピークを過ぎると脳皮質は次第に薄くなっていく事がわかりました。
しかし、知能優秀群(IQ121~149)はなんと「13歳」まで脳皮質は厚みを増し続けていたのです。
つまりIQ121以上になると脳の成熟期間が長くなり、優れた学習習得能力を発揮できる期間も非常に長期に及ぶのです。そのような変化がIQ121以上で起こるのか130以上で起こるのかはまだわかっていません。その意味では、今後は5歳ごろまでにできるだけIQを高めておくことが、乳幼児教育の重要なテーマとなってくるでしょう。
私たちベビーパークでは3歳までにIQ140以上を指針として取り組んでおります。そして、今のところ平均値では十分クリアしております。