後追いとは?
後追いとは、赤ちゃんが特定の人、通常は親や主に世話をしてくれる人に対して強い愛着を示し、その人が視界から消えると不安や恐怖を感じて泣いたり追いかけたりする行動です。
後追いは主に赤ちゃんが8か月頃から見られるようになりますが、この時期になると、親が視界から消えると不安を感じ、泣いたり手を伸ばしたりして、親を追いかけようとします。これは、赤ちゃんが「安全基地」と感じる親の存在が必要だからであり、親がいないという状況がストレスになるのです。
まずここでは、後追いがいつ始まっていつ終わるのか、詳しくお伝えします。
後追いはいつから始まる?
一般的に、多くの赤ちゃんは生後半年~11カ月頃に後追い行動を始めますが、この時期は個々の赤ちゃんによって大きく異なります。この時期になると、赤ちゃんは「不安分離」と呼ばれる発達の段階に入ります。つまり、親がそばにいないと安心できなくなり、親が視界から離れるだけで泣き始めるのです。
後追いは、赤ちゃんが自分自身と他人を認識し始め、親との強い結びつきを感じるようになるために起こるもので、非常に自然な現象と言えます。ただ、後追い行動を一切しない赤ちゃんもいますので、その場合でも焦ることなく、赤ちゃんの成長を穏やかに見守ることが大切です。
後追いが終わる時期は個人差が大きい
後追い行動は個々の赤ちゃんによって大きく異なりますが、多くの場合、1歳半から2歳頃には減ってくるのが一般的です。赤ちゃんの自我が発達し、独立心が育ってくるにつれて、親が常にそばにいなくても大丈夫だと感じられるようになるためです。しかし、この時期には個人差が大きく、もっと早く後追いをやめることもありますし、逆にもっと長く続く場合もあります。
親としては、子どもの後追い行動が長引く場合も短い場合も、それぞれの子どものペースと発達の段階を理解し、常に愛情をもって接し、子供が安心感を持てるよう見守ることが大切です。
後追いは赤ちゃんが感じる不安を軽減し、安全に成長するための行動の一環であることを覚えておくと良いでしょう。
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後追い行動の理由
では、なぜ赤ちゃんは後追いをするのでしょうか?また、後追いをしない赤ちゃんはいるのでしょうか?ここでは、これらの疑問に答え、後追い行動の背景にある心理学的な理由について解説します。
赤ちゃんが後追いをする理由とは
赤ちゃんが後追いを始める主な理由は、安全と安心を求める本能に基づいています。生後6ヶ月ごろになると、赤ちゃんは「不安分離」と呼ばれる発達の一段階に入ります。この時期には、親やお世話をしてくれる人が離れると不安を感じ始めます。そのため、親が見えなくなると、赤ちゃんは安心できる存在である親を求めて泣いたり、追いかけたりするようになるのです。
この行動は、赤ちゃんが心の成長を遂げる過程で自然に起こります。この時期は、親に対する強い依存から徐々に自立へと移行する時期でもあります。親が赤ちゃんの不安にすぐに反応して安心させることで、赤ちゃんは親との信頼関係がしっかりと築かれていると感じ、次第に自分は安全だと思えるようになります。
後追いをしない赤ちゃんもいる?
全ての赤ちゃんが後追い行動を示すわけではありません。後追い行動は生まれ持った個性や育てられ方、さらには赤ちゃんの安心感や自立心の発達によって左右されることがあります。例えば、非常に自立心が強い赤ちゃんや、普段から多くの人に囲まれて育っている赤ちゃんは、後追い行動をあまり示さないことがあります。
また、お家で赤ちゃんが自由に遊べるようにしてあげると、赤ちゃんは自分の周りの世界に興味を持ちやすくなります。このような場合、赤ちゃんは「安全基地」としての親を確認することなく、自信を持って周囲の環境や物事に興味を持つことができるようになります。
そのため、後追いをしないことに必ずしも問題があるわけではありません。大切なのは、赤ちゃんが健やかに育っているかどうかを親が見守ることです。もし赤ちゃんが他の発達段階も順調にクリアしている場合は、特に心配する必要はないでしょう。しかし、何か気になることがあれば、小児科医や育児の専門家に相談してみるとよいでしょう。
赤ちゃんを見ている大人の手が足りない時はママも大変ですが、赤ちゃんが安全・安心を求めて後を追ってきているのですね。
後追いへの対応策や注意点
後追いは赤ちゃんが成長する過程で自然に見られる行動であり、この時期に親ができることは、赤ちゃんの不安を和らげ、安心感を与えることです。
ただ、あまりにも後追いが激しいと、親も徐々に疲労が溜まってしまいます。親子で穏やかにこの時期を乗り越えるのにはどうしたらよいのでしょうか。以下に、具体的な対応方法をいくつか紹介します。
①声をかけて安心感を与える
赤ちゃんが不安を感じたとき、親は積極的に声をかけることが大切です。例えば、部屋を出るときは、「ママはすぐ戻ってくるよ」と伝えることで、赤ちゃんもママの次の行動が予測できるようになり、不安を減らすことに繋がります。常に優しい声で話しかけることで、赤ちゃんは「この空間は安全で、ママは近くにいる」という安心感を感じることができます。
②赤ちゃんから見える範囲で活動する
後追いがひどい時は、可能な限り、その近くで活動するようにしましょう。親が赤ちゃんの視界に入るところにいれば、親がすぐそばにいることを実感し、安心して遊ぶことができます。うまく声をかけながら段々に活動範囲を広げていくことで、赤ちゃんの中に、少しなら親が視界から消えても大丈夫という自信が育っていきます。
③家事の完璧さより親子の時間を優先する
家事や他の仕事も大切ですが、赤ちゃんの後追いが激しい時期は特に、家事の完璧さを追求するのはやめて、親子で過ごす時間を優先しましょう。しっかり向き合って一緒に過ごす時間を増やすことで、赤ちゃんの不安が和らぎ、精神的に安定していきます。
④抱っこ紐を使って楽しみながら一緒に過ごす
どうしても後追いがやまない時は、抱っこ紐をうまく活用しましょう。赤ちゃんは親の体温や心音を感じることができ、それが大きな安心感につながります。また、親も手が空くため、より多くの作業を効率的にこなすことができるでしょう。
⑤存分にスキンシップを楽しむ
親とのスキンシップは、赤ちゃんにとって大きな安心材料となります。抱っこやハグはもちろん、向き合って手遊びや一緒に歌を歌うなど、積極的にスキンシップを取ることで、赤ちゃんは愛されていると実感し、安全と安心を感じることができます。
赤ちゃんにしっかり声をかけてあげることが大切です。「ママすぐ戻ってくるよ。」と毎回声をかけてあげて、安心させてあげましょう。
後追いと発達障害の関係はある?
後追いがあまりにもひどかったり、逆に全く後追いをしないと、不安になる親も多いでしょう。ここでは、後追い行動が非常に強い場合や全く見られない場合について、発達障害などの可能性についてみていきましょう。
後追いがひどすぎる場合、問題は?
通常、後追い行動は赤ちゃんの健康な成長の一部と見なされますが、その行動が極端に強い場合、何らかの潜在的な問題を示している可能性があります。特に、赤ちゃんが通常よりも長い期間、または極端な不安を伴って後追いをする場合、不安障害やその他の心理的問題を抱えていることも否定できません。
このような場合、日常的に赤ちゃんがかなりの不安を感じている可能性があり、そのことが日常生活にも影響を与えているかもしれません。親は子供の振る舞いや他のサインに注意し、どうしても気になる場合は子どもの精神医学の専門医などに相談するようにしましょう。
後追いしない場合、発達障害の可能性はある?
一方で、後追いを一切しない赤ちゃんもいます。これは独立心を持っている証拠かもしれませんが、稀に発達障害が関係していることもあります。特に自閉症スペクトラム障害の場合、他の子供たちよりも社会的なやり取りが少ないために、後追いをしないことがあります。
ただし、後追いを全くしない場合、それだけで判断するのではなく、他の行動や反応も見て、評価することが大切です。例えば、目を見て話せない、名前を呼んでも反応しないなど他にも気になるサインがある場合は、一度専門家の診断を受けるようにしましょう。
このように、後追い行動の有無が直接的に発達障害を診断するものではありませんが、赤ちゃんの全体的な発達状況を理解する一つの手がかりになります。親は、赤ちゃんの行動に注意を払い、必要に応じて専門的な意見を求めるようにしましょう。
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まとめ
この記事では、後追いの時期や、その行動の理由、そして対応策などについて詳しく解説してきました。
後追い行動が終わる時期には個人差がありますが、多くの子どもたちで2〜3歳頃には自然と少なくなります。この期間を通じて、親子の絆はさらに深まり、赤ちゃんは新たな発達のステージへと進んでいきます。そのことを理解し、過度に心配しすぎずにこの大切な時期を楽しんで過ごしましょう。
この記事が、後追い行動についてより深く理解し、育児の不安を和らげるヒントとなれば幸いです。
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