なんで子どもは言うことをきかないの?
子どもが言うことを聞いてくれないとついイライラしがちですが、3~6歳の子どもが親の言うことをきかないのは、実は成長の証でもあります。
年齢ごとに言うことをきかない理由をみてみましょう。
3歳児が言うことをきかない理由
3歳は自分のやりたいこととやりたくないことがはっきりとしてきて、自己主張が強くなる時期です。イヤイヤ期とはこの自己主張が強くなり、「イヤ」を繰り返すようになる時期のこと。
3歳はまだまだイヤイヤ期の真っ最中ですから、言うことをきかないのも当たり前ですね。また、自分のやることで親がどんな反応をしてくるかを観察している時期でもあります。
4歳児が言うことをきかない理由
3歳までは「自分が」という欲求が主であったのに対し、4歳になると「他人」を意識した自己主張に変化してきます。言葉や体は発達していますが、感情をコントロールする力がまだ未熟なため、反抗的なことを言ったり、泣きわめいたりするようになります。俗にいう「4歳の壁」ですね。
5~6歳児が言うことをきかない理由
5~6歳になると言葉と思考力が発達してきます。子ども同士でもコミュニケーションを取れるようになり、世界が広がっていき自分の考えを持つようになります。
すると、大人の言っていることに納得がいかない、といった場合に理屈で反抗してくるようになります。自分で考えた通りにやりたいと思う「自立心」が芽生えはじめるのですね。とても大きな成長です。
成長段階によって少しずつ言うことを聞かない理由が違うことが分かりましたね。次に、どのように対処していけば良いのかを見ていきましょう!
言うことをきかないときの対処法
子どもが言うことをきかないのは、自己主張が出てきたことが大きな要因のようです。赤ちゃんだと思っていたのに、突然自己主張がはじまったら親だって戸惑いますよね。では、ここでは、言うことをきかない時の対処法をご紹介します。
3~4歳児
◆話を聞く
ただ頭ごなしに叱ってしまうと、子どもは「自分の気持ちをわかってくれない」と思って、ますます反抗的になってしまうこともあります。「イヤだ」と言われたら「なぜイヤなのか」「何が不満なのか」を聞いてあげましょう。
4歳になると言葉が発達していますから、「◯◯だからイヤだ」というように、きちんと理由を説明することができます。例えば、「この服は着たくない」と言った時「なんで着たくないの?」と聞いてみたら「ここがきつくてあたるのがイヤなの」ということもあります。
この場合は叱らなくても「大きくなったんだね!じゃあ、今日はこっちにしようか」という会話で終わるかもしれません。「この服は粘土の日に着る服だから」などマイルールがあることもあります。しっかり耳を傾けてあげましょう。
◆言い方を変える
「〇〇しなさい」と命令口調で言われれば、子どもも「イヤだ」と言いやすいですよね。「この服とこの服どっちがいい?」と質問したり「お着替えできるかな~?」と少し遊びを加えることで、反発することなく聞いてくれることもあります。
お休みの日など時間に余裕がある時は、「〇〇ちゃん、上手にボタンを留めています」と実況中継をしたり、着替えの後に「〇〇ちゃん、頑張りましたね。早くお着替えするコツはなんですか?」とヒーローインタビューをするなど遊びを取り入れると、次からも楽しくやってくれるようになります。
◆手が出る時は抱きしめる
言葉での反抗だけではなく、叩く・蹴るなどの行動が出てしまった場合には、まず子どもを落ち着かせてあげましょう。ぎゅっと抱きしめて「大丈夫」といいながら背中をさすってあげます。
すると、子どもも次第に落ち着いてきます。子どもが落ち着いたらしっかり話を聞いてあげましょう。その上で「叩かれたらお母さんも痛くて泣いちゃうから、叩かないでね」と伝えましょう。
5~6歳児
◆考えを受け止める
5~6歳児は自分の考えたように行動したいのが基本です。ですから、まずは子どもがどう考えてそうしたいのかを聞き、「そっか、〇〇だからこうしたいんだね」と受け止めてあげましょう。
「〇〇ちゃんはどう思う?」とか「〇〇くんはどうしたい?」と子どもの考えを聞いてから、やることを決めるのもいいです。1人の人として認めている、ということが子どもに伝わるように受け止めてあげることが大切です。
◆理由を添えてお願いする
子どもも自分の考えで行動していますから、正当な理由がないと考えを変えてくれません。「〇〇くんがお着替えしてくれないとお出かけができないね。お出かけできないとみんなと一緒に遊べなくなっちゃうから、お着替えしない?」など、自分がそれをしないことで何が起きるのか、それをすることでどうなるのか、ということを教えてあげると子どもも納得しやすくなります。
対処法が分かっていても、親だってイライラすることがありますよね💦そんな時、親はどう切り抜けていくのが良いのか、確認していきましょう!
イライラしないために親ができる対策
ここまで年齢別での子どもが言うことを聞かない際の対応の仕方を解説してきましたが、今度は親がイライラしないようにできうる対策について説明していきたいと思います。
心と時間に余裕を持つ
忙しいときに子どもが言うことをきかないと、大人もイライラしてしまいますよね。そうならないためには、大人が心と時間に余裕をもって動くことです。
「忙しいのにそんなの無理でしょ!」と思う方はご自身を振り返ってみてください。家事も育児も完璧を目指すことは大変です。「これをやらなくちゃ」「あれをやらせなくちゃ」と考えているととても時間は足りないし、心に余裕もなくなります。そんな時に反抗されたらどうしても怒ってしまいます。
一度、家事も育児も絶対にやらなくてはいけないことと、できなくても大丈夫なことに分類してみましょう。そして、まずは絶対にやらなくてはいけないことをスケジューリングしましょう。そうすれば、今より余裕をもって子どもと接することができるようになります。子どもは時間がかかるもの、ということも含めてスケジューリングしてみてくださいね。
子どもにも予定を伝えておく
大人は時間通り動いていても、子どもがそれをわかっていなければ意味がありません。大人だっていきなり「ほら、急いで」と言われたら「なんで?」と思いますよね。
子どもにも「今日は〇時にお出かけするよ」とか「〇時になったらご飯食べるよ」と先に伝えておきましょう。そうすれば「〇時におうちを出るからそろそろお着替えしようか」といった声かけをできるようになります。
イライラしてしまったら距離をおく
どうしてもイライラが収まらない時は、感情的に怒ってしまう前にいったん距離をおきましょう。別の部屋に行くのでもトイレに行くのでもよいです。深呼吸をして「なぜ今怒ってるんだっけ?」と冷静に考えてみます。自分が原因で感情が高ぶっているだけかもしれません。
自分を客観的にみられると、心が落ち着いてきます。落ち着いたら「自己主張できるほど成長したんだ。嬉しいな」と唱えてから子どものところへ戻りましょう。
まとめ:抱えきれなくなったら相談しましょう
「いろいろ試してみたけど、もう限界」という場合には、通っている幼稚園や保育園の先生に相談してみましょう。家では手が付けられないけど、保育園や幼稚園ではとてもしっかりしたいい子ですよ、ということもあります。外で頑張っている分、おうちでは甘えてバランスをとっているのかもしれません。それならば、「毎日頑張ってるんだね。えらいね」という気持ちにもなれますね。
反抗期はこれから10代の半ばまで続きますから、あまり悩みすぎず、我が子の成長を喜ぶ気持ちで付き合っていきましょう。
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