子どものストレス・情緒不安定のサインは大きく3種類
大人と同様に子どももストレスを感じるときはあり、いわゆる「ストレス耐性」が人それぞれ違う点にも変わりはありません。しかし、大人と子どものストレスについて決定的に違う点は、子ども自身が「ストレスを感じている」と自覚していないケースがあるという点です。
子どもは心身の成長による変化はもとより、幼稚園の入園や小学校の入学、学年や学期など生活環境にも変化が多いため、毎日のように戸惑いを覚える場面に直面します。しかし、それを「ストレスだ!」と感じ、周囲に示せるようになるまでには個人差があります。
また、赤ちゃんが不快を感じて泣くのと同じように、特に幼児期の場合は「嫌だ」「つらい」という気持ちはあっても、何がどのように嫌なのか、何がつらいのかをきちんと周囲に説明できないことも少なくありません。そして、そのような状態が続くと大きく「身体」「心」「行動」の3つにサインが現れはじめます。
- 身体に出るサイン
- 心に現れるサイン
- 行動から見るサイン
たとえ我が子であっても子どもは親とは別の人間であり、何にストレスを感じているのかは本人にしかわからないことも少なくありません。そのため、周囲の大人は子どものストレスサインを常に意識し、違和感がある場合は早急に対応する必要があります。
まずは「身体」「心」「行動」の3つに分けて、どのようなストレスサインがあるのか理解しておきましょう。
身体に出るサイン
子どものストレスサインとして代表的なものの一つが身体の不調です。その中でも多いものは「腹痛」で、これは胃腸が自律神経の影響を受けやすいことが関係しています。そのため、胃腸に関連した食欲不振や下痢、便秘などの症状もストレスサインの可能性があります。
そのほかにも、アトピー性皮膚炎のかゆみが酷くなる、じんましんが出る、というように皮膚にサインが出る場合もありますし、寝つきや寝起きの悪化、突然のおねしょやおもらし、頭痛などもストレスサインとして出やすい症状です。さらに、本人の意思とは関係なく不規則かつ突発的に声を出してしまったり、動いたりしてしまう「チック」と呼ばれる症状などもあります。
見方によっては身体に出るストレスサインはわかりやすいとも言えるのですが、一方で、単純な体調不良と捉えてしまい、原因がストレスからきていることになかなか気付けないこともあるため注意が必要です。
- 胃腸に関連した食欲不振や下痢、便秘などの症状
- アトピー性皮膚炎のかゆみが酷くなる、じんましんが出るなどの症状
- 寝つきや寝起きの悪化、突然のおねしょやおもらし、頭痛などの症状
- 本人の意思とは関係なく不規則かつ突発的に声を出してしまったり、動いたりしてしまう「チック」と呼ばれる症状
心に現れるサイン
次に、子どものストレスサインとして心の変化があります。心の変化は体に現れるストレスサインとは違って、周囲の大人が日頃から見守っていないと気付きにくく、「成長して性格が変わってきたのかな」と思い見過ごしてしまうこともあるでしょう。
心に現れるストレスサインの具体的な例としては、元気がなくなる、すぐに泣く、無表情になる、怒りっぽくなる、ぼんやりしている、自分から話さなくなる、あるいは一方的に話し続ける、といったものが挙げられます。
普段からよく笑う子、おとなしい子、というように、性格には個人差があるため、ストレスサインかどうかを見分けるためには普段の状態をよく知っておくことが大切です。家庭だけではなく、園や学校ではどのように過ごしているのか、日頃から話を聞いておくことでストレスサインにも気付きやすくなるでしょう。
行動から見るサイン
子どもの代表的なストレスサインの三つ目は行動の変化です。これも、心の変化と同様に「成長して行動も変わってきたのかな」と見過ごしてしまうことがあるため注意が必要です。
ストレスからくる行動の変化としては、暴力的になる、反抗的な態度をとるようになる、外に出たがらず学校を休みたがる、一人になることを恐れる、小さな物音にも驚く、手を何度も洗ったりすぐに着替えたりする、好きだったことをやらなくなる、甘えることが増える、などさまざまです。
「いつもと違う接し方や行動をしているな」と感じた時は、何かストレスとなる原因があるのではないかと注意深く見守る必要があります。
子どものストレス・情緒不安定のサインに気づいたら?
では、子どもの変化から「これってストレスサインかも!?」「情緒不安定になっているかも!?」と感じた場合、周囲の大人はどのような行動をとればよいのかを考えていきましょう。
一番最初にしていただきたいことは、声を掛けることです。「最近元気がないみたいだけど、何か嫌なことでもあった?」「どういう時にお腹が痛くなる?」といった調子で声を掛けたり、直接的ではなくとも、一緒におやつを食べたりテレビを見るなど、子どもと話す時間を増やせるように心掛けてみましょう。
そして、子どもが何かを話し始めた時は、最後まで口を挟まず話を聞いてあげましょう。まだ年齢が小さく、上手に話すことができない場合は「それで〇〇ちゃんは△△が嫌だったのかな?」といったように、子どもの心情をイメージしながら代わりに表現をして聞きだしてあげるのも一つの手です。
また、「子どもがストレスを抱えているかも」という不安から、普段とは違うことをして環境に変化を…と考えてしまう方もいると思いますが、環境の変化はさらにストレスを増幅させてしまう可能性があります。睡眠や食事など、あくまでも生活リズムはいつもと同じペースを心掛けましょう。
ストレスを解消する方法3選
子どもがストレスを抱えていることがわかった場合は、少しでもストレスを解消できるような方法を考えてみましょう。
子どもの性格やストレスの原因によっても解消法は異なりますが、代表的なものとしては次の3つが挙げられます。
- 子どもが喜ぶことをする
- コミュニケーション・スキンシップをしっかりとる
- ストレスの原因を解消させる
それぞれの解消方法の詳細を解説します。
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子どもが喜ぶことをする
大人がストレス発散のために美味しいものを食べたり旅行に出掛けたりするように、子どもが喜ぶこと、子どもが好きなことを満足するまでできるような時間や環境を用意してあげましょう。
運動や工作、ゲームなど、子どもが普段から好きなことをとことんやらせてあげるのも良いですし、子どもが好きな場所に出掛けたり、子どもが興味を持っていることをやらせてあげたりするのも良いでしょう。
「楽しい」と感じる時間を増やし、ネガティブな気持ちになる時間を少しでも減らしてあげることを意識してみてください。
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コミュニケーション・スキンシップをしっかりとる
特に幼児期の子どもにとって、親同士の集まりをはじめとする身近な大人とのスキンシップは安心をもたらしてくれるものです。難しく考えなくても、歩く時に手をつないだり、抱っこをしたり、膝の上で絵本を読んだり、一緒にお風呂に入るといったことでも構いません。
また、年齢的な問題から子どもがスキンシップを嫌がるような場合であれば、会話を増やしたり、一緒に何かをしたり、コミュニケーションをしっかりとるだけでも十分です。ただし、本人が一人になりたがっている場合は、無理矢理何かを聞き出そうと過干渉するのはやめましょう。
ストレスの原因を解消させる
ストレスには、ストレスを感じている本人だけで解消でき乗り越えられる問題もあれば、根本的な問題を解決しない限りいつまで経ってもストレスが解消できないケースもあります。
例えば「特定の子どもからいじめを受けている」「習い事が厳しすぎてつらい」「両親が不仲で毎日のように子どもの目の前で喧嘩をしている」など、ストレスの原因がはっきりしている場合には、その原因を解消できるように努めましょう。
ただ、原因がわかっていても簡単に解決できないことはあります。だからこそ子どもがストレスを抱えてしまったというケースもあるでしょう。そのため、根本的な原因の解決を目指しながらも、まずはストレスに苦しむ子どもの心が少しでも楽になるように努めましょう。
いっぽう、子どもがこの先自立し社会での生活を続けていくためには、自分の力でストレスを乗り越える力を身に付けることも大切なことです。ストレスの内容によっては、自分でその問題を乗り越えることで自分に自信を持てて、成長につながる可能性もあります。
ストレスの原因を見つめ、どのような対処が子どもにとってベストなのかを見極めることも大切です。
普段と違う環境下でストレスを感じる子どもは多い
子どもは平常時であっても心身の成長による変化や、入園や入学、学年や学期など生活環境が変わりやすく、戸惑うことも多いものです。
さらに昨今では、コロナ禍や地震・豪雨といった自然災害もあり、子どもにとっては普段以上にストレスがかかっている可能性が高いといえます。普段と違う環境下でストレスを感じる子どもは多いため、大人はより注意深く子どもの様子を見守ると同時に、変化の多い環境下の中でも、なるべく「変わらない場所」である家庭環境を整えることが求められます。
そして子どもをストレスから守ろうとする大人もまた、多大なストレスに苦しんでいるケースは少なくありません。自分なりのストレス解消法を積極的に生活に取り入れる、第三者に相談をするなど、大人も自分をストレスから守らなければならないことを忘れないでください。
幼稚園に入園する3歳の子どもの成長の目安については以下のコラムをご覧ください。
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ストレスサインに気づいて寄り添うことが大切
子どものストレスサインは、身体、心、行動の3つに現れることが多いですが、普段から子どもの様子を知っておかなければ、そのサインに気付くこともできません。そして、ストレスサインに気付くことなく放置してしまった場合、最終的に医療機関などで専門的な治療を長期に渡って受けなければならない事態にも陥りかねません。
そのような事態を避けるためにも、周囲の大人は子どものストレスサインに早期に気付き、臨機応変に寄り添うことが大切です。
自分たちだけでは対処できない場合は、相談できる場所や機関を頼るのもひとつの手です。子どもだけではなく大人も自分をケアすることを忘れず、心身共に健康な日々を目指しましょう。
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