外遊びで心も体も健康に育てる

No.178更新日付:2024年11月14日

お子さまは外遊びをしていますか?子どもの外遊びにはたくさんのメリットがあります。暑すぎたり、大雨が続く日もありますが、天気のいい日にはどんどん外に出て遊びましょう!今回は、外遊びのメリットと年齢別の遊びをご紹介します。

外遊びのメリット

近年、子どもの体力低下が問題視されています。ゲームなど室内で遊ぶことが多くなったり、習い事などで忙しく外で遊ぶ機会が減ったり、身の回りのさまざまなことが利便化されて動く機会が減ったことが要因です。体力の低下は、姿勢を保てなかったり、いつも「疲れた」と言っているなど子どもの態度や言動にあらわれています。

文部科学省が公表している、「子どもの体力向上のための総合的な方策について」には体力の必要性を次のように記載しています。

「体力は、人間の発達・成長を支え、人として創造的な活動をするために必要不可欠なものである。したがって、体力は、人が知性を磨き、知力を働かせて活動をしていく源である。また、体力は、生活をする上での気力の源でもあり、体力・知力・気力が一体となって、人としての活動が行われていく。このように、体力は「生きる力」の極めて重要な要素となるものである。」
そして、子どもの体力向上を促進するために外遊びを推進しています。

では、外遊びには子どもたちのの発達・成長を支えるどんなメリットがあるのでしょうか。

体力の向上

外遊びは、瞬発力・持久力・柔軟性などの運動能力や基礎体力の向上につながります。また、走る、跳ぶ、登る、投げるなどの動作は子どもの筋力を育てます。肥満の予防にもなります。

骨が強くなる

骨を強くする、というとまずカルシウムが頭に浮かびますよね。子どもの頃は牛乳をたくさん飲んだりしますが、実はカルシウムだけでは骨は強くなりません。大切なのはビタミンDです。

ビタミンDは骨の材料となるカルシウムの吸収を助けたり、骨密度を増加させ、骨の形成を促します。そして、ビタミンDは子どもたちが外で遊び太陽をいっぱい浴びることで、体内に生成されるのです。

自律神経が整う

自律神経とは、無意識に身体の機能を調整する神経のことです。自律神経には「交感神経=活動モード」と「副交感神経=リラックスモード」があり、このふたつのバランスが取れていることが健康の鍵となります。自律神経を整えるのに必要なことは、よく食べ、よく眠り、よく動くことです。

たくさん体を動かすことで美味しくご飯を食べることができ、夜しっかりと睡眠がとれて、自律神経が整うのです。

外遊びで伸ばせる能力

外遊びのメリットはこれだけではありません。次は外遊びで伸ばせる能力をみてみましょう。

コミュニケーション能力

子ども同士で遊ぶことで、ルールを守ったり協力をする必要が出てきます。

お友だちが使っている道具を使いたいときは「次、貸して」と伝えなくては遊べません。公園ではじめて会うお友だちに「一緒に遊ぼう」と言って仲良くなったり、「入れて」と言って仲間に入れてもらったり。お友だちのお父さんやお母さんと会話をすることもあるでしょう。そうする中で、自然とコミュニケーション能力を身に付けていくのです。

思考力

子どもは遊びの中でさまざまな工夫をしています。例えば、地面を掘りたい時にスコップがなければ石や枝など代わりになるものを探してきます。新しい遊びを作り出してそのルールを考えたり、上手くいかないときはルールを見直したりします。そうやって、勉強ではなかなか身に付けられない思考力を遊びの中で身に付けているのです。

集中力

外遊びで体を動かし、風を感じたりにおいを感じたり光を感じたりと五感を刺激することは、ストレスを軽減し、脳の前頭前野を刺激します。前頭前野は精神を制御する役割があり、前頭前野を鍛えることで集中力を高めると言われています。

発達に合わせた外遊び

ではここからは年齢別にやらせてあげたい外遊びを紹介します。

3歳は基本的な動きから

走ったり跳んだりすることができるようになる3歳の子どもとは、基本的な動きでできる遊びをしましょう。階段をあがることもできるようになりますから、遊具で遊ぶならジャングルジムや滑り台がおすすめです。また、ルールが簡単な影ふみやかくれんぼも楽しく遊べます。

4歳は少し複雑な動きを

4歳は片足ケンケンやスキップなど少し複雑な動きができるようになります。ケンケンパや縄跳びがおすすめです。ジャンプは骨に刺激を与え骨密度を高めると言われています。また、跳んで上手に着地をすることはバランス感覚を鍛えます。縄跳びは地味ではありますが有酸素運動ですから、心肺機能を高めることも可能です。

5歳は複数の動きを

5歳になると、ボールを投げたり受け取ったりができるようになります。ルールを守り、頭を使って複数の動きを同時にできるようにもなります。広い場所で人数がいるならば、ドッチボールがおすすめです。基本的な全身の筋肉を鍛えられることはもちろん、ボールをよけることで俊敏性がついたり、仲間と協力することで協調性がついたり、どこに投げるかを判断する判断力がつきます。

6歳は全身運動を

子どもの運動能力が飛躍的に伸びる6歳から12歳くらいまでの時期をゴールデンエイジと呼びます。この時期にさまざまな運動を経験させることで、この先の運動神経が決まるそうです。サッカーや野球などのいわゆるスポーツでもよいですし、一輪車や竹馬、缶蹴りや鬼ごっこなどの遊びもたくさんやらせてあげましょう。

親と一緒なら自然体験

お父さんやお母さんが一緒に出かけられる時は、ぜひ自然体験をさせてあげましょう。自然体験とは、「自然の中で、自然を活用して行われる活動」のことです。キャンプやハイキング、登山、植物や星空を観察することなども自然体験ですね。わざわざ遠くへ何かをしに出かけなくても、広い原っぱに行くだけでもかまいません。自然体験にもさまざまなメリットがあります。

理科の要素を学べる

植物を使っておままごとするだけでも、植物を観察したり、触感や匂い、すりつぶすとどうなるか、など理科の要素を学ぶことができます。星空を見上げたり、動物と触れあったり、昆虫を捕まえたりすることでも学びがありますね。

五感を鍛える

自然の中にいると、でこぼこの道を歩いたり、裸足で水の中に入ることもあります。鳥の声を聞いたり、植物や動物の匂いを嗅いだり、きれいな空を眺めたり、落ち葉を集めてくしゃくしゃしたりと、自然の中には五感を刺激する要素がいっぱいです。自然の中にいるだけで、子どもは五感を鍛えることができるのです。

ストレスを解消する

畑仕事をするとストレス解消になるという話を聞いたことはありませんか?土に触り、自然に囲まれていることがストレスの解消に効果があるのだそうです。子どもも土を掘って遊んだり、泥だんごをつくって遊んだりしますよね。泥に触れるとセロトニンという脳内物質が分泌されて、精神を安定させるといわれています。

まとめ:大人にも一緒に外に出よう

いかがでしたか。子どもには外遊びが必要だ、ということがおわかりいただけたでしょうか。運動不足は子どもだけでなく、大人にとっても大きな問題です。大人の運動不足は病気や怪我に直接つながってしまいます。この機会にお子さまと一緒に外に出て体を動かしストレス発散をして、健康な毎日を送りましょう。

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