赤ちゃんの自我の芽生えが自己主張の始まり
自己主張とは、自分の意思や気持ちを何らかの形で表現することです。2歳児によく見られる「イヤイヤ期」はその典型例で、「イヤ!」と拒絶することで、「やりたくない」という自分の気持ちを表現しています。ただ、自己主張が芽生えるのはイヤイヤ期に突入する2歳児からではなく、実際には赤ちゃんの頃から自己主張は始まっているのです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、空腹などを感じた際、本能的に泣くだけですが、しばらくすると自分の存在を意識する「自我」が芽生え始めます。それと同時に、自分以外の他人に対する主張も始まり、空腹や不快感を覚えたとき以外にも、「甘えたい」「抱っこしてほしい」という気持ちから泣き出すようになります。
この時期の自己主張はごく単純なのでパパ・ママも「自己主張が強くて困る」と悩むことはありませんが、自分で立って歩いたり、おもちゃで遊んだり、食事をしたり…とできることが増えてくると、だんだん「自分でやりたい」という気持ちが強くなってきます。
1歳以上になると、パパ・ママ以外の大人や、自分と同じ年齢くらいの子どもと接する機会も増えてくるため、ますます「自分」と「他人」への意識が強くなっていきます。この自己主張の強さが上昇し始める時期が、ちょうど「第一次反抗期」「イヤイヤ期」と呼ばれる2歳頃のことで、多くのパパ・ママが子どもへの対応に悩まされるようになります。
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自己主張が激しい子どもへの対応に戸惑う大人は多い
自己主張が激しくなる時期の子どもは、「何でも自分の思い通りにしたい」「自分で何でもやりたい」という強い気持ちがある一方、その思いを実現できるほどの能力は持ち合わせていません。
例えば保育園に行く際、着替えを自分でやりたい!と思ったとしても、1~2歳ではまだ自分でうまく着替えることができません。一方、パパ・ママは時間までに保育園に送っていかなければならないので、子どもの気が済むまで着替えを見守っているわけにもいかず、手を貸して着替えを手伝うでしょう。すると、「自分で全部やりたい」という気持ちを邪魔された子どもは、泣いたり反り返ったりして抵抗します。最後は無理やりにでも着替えさせることになりますが、忙しい朝から泣き叫ぶ我が子のお世話をすると、ぐったりと疲れてしまうでしょう。
また、1~2歳の頃は「これ ほしい」「ママ おもちゃ あそんで」といった二語文や三語文を話せるようになる時期にあたりますが、まだまだ語彙力が乏しく、自分の気持ちをうまく言葉として表現することができません。そのため、パパ・ママも何が「イヤ」なのか、なぜ泣いているのか把握できず、途方に暮れてしまう場合もあります。
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しかも、こうした自己主張は時と場所を選ばずに発生するため、家にいても外出していても、ほぼ一日中、子どもの自己主張に振り回されることになります。
こうした子どもの自己主張、イヤイヤ期に頭を悩ませているパパ・ママは非常に多いようです。イヤイヤ期の子を持つパパ・ママで、大きなストレスを抱えている方も少なくありません。
子どもの自己主張に対してどのように対処すればいい?
成長と共に強くなる子どもの自己主張に対して、パパ・ママはどのように対処すればいいのでしょうか。
ここでは、子どもが自己主張したときの受け止め方の主な対処法3つをポイントに分けて解説します。
1. 子どもの考えを聞く
自分の意思や気持ちを表現することは決して悪いことではなく、むしろ大人になってからも必要とされる重要なスキルのひとつです。
「それはダメ!」「そんなの無理!」などと頭ごなしに否定して自己主張そのものを妨げると、自分の気持ちを無理に押し込め、自己表現できない子どもに育ってしまいます。なので、子どもが自己主張してきたら、まずは「そうだね」と肯定し、自分の気持ちや意思を表現することを認めてあげましょう。
「イヤ!」と泣き叫ぶだけで、何を求めているのかわからないときは「◯◯くん(ちゃん)はどうしたいの?」など、子どもの考えを聞く姿勢を見せることが大切です。結果的に、子どもの希望を叶えてあげられなかったとしても、子どもが「パパ・ママはぼく/わたしの話を聞いてくれる」と理解すれば、自己主張の妨げになる心配はありません。
2. 許すことと許さないことをしっかり決める
子どもの自己主張を頭ごなしに否定するのはNGですが、だからといって子どもが自己主張するすべてのことを許していると、正しい判断ができない子どもになってしまうでしょう。
小さいうちは常に親の管理下にある子どもも、幼稚園や小学校に入ると、集団生活を送ることになります。自分の意のままに判断して行動する自己中心的な子どもは、集団生活にうまくなじめず、ストレスを感じたり、問題行動を起こしたりするリスクが高くなることが予測されます。
子どもの自己主張を尊重しつつ、社会性も育むためには、子どもが主張することに対してどこまで許すのか、その境界線を明確にしておく必要があるのです。
特に率先して教えておきたいのは、身に危険が及ぶことや、他人の嫌がることは「許されない」ということです。小さいうちは、「これをやったらどうなるか」という経験則が乏しいので、大人なら及びも付かないようなことを「やりたい」「したい」と主張してくることもあります。
そんなときは、「やりたい」「したい」という気持ちを受け止めつつ、「それをしたらケガをするから危ない」「そんなことをしたらママは悲しい」と説明し、許されないことであると認識させましょう。
許すことと許されないことの境界がはっきりしていると、子どもも自然と「これはやってはいけないことだ」と自分で善悪の判断をつけられるようになり、集団生活が始まっても問題行動を起こすリスクが低減されます。
3. 押さえつけるのではなく理解するように話す
「◯時までに保育園に送っていかなければいけない」「夕方までには帰宅して夕飯の準備をしなければいけない」など、日々時間に追われる生活を送っていると、子どもが自己主張したときに、つい頭から「ダメ」「無理」と押さえつけてしまいがちです。
しかし、理由を説明せずに否定し続けると、子どもは同じことを主張し続けるので、かえってスムーズな行動の妨げになります。
それでも子どもの自己主張を抑え続けると、子どもは「パパ・ママは話を聞いてくれない」「どうせ何を言ってもわかってくれない」と思い込み、自分の気持ちを心の中に押し込めるか、あるいは何も言わずにいきなり行動を起こすようになりかねません。
子どもは大人に比べると語彙力や理解力に乏しいですが、わかりやすい言葉を使って説明すれば、最終的には理解してくれるようになります。もちろん、1度できちんと理解させるのは難しく、同じことの繰り返しになるかもしれませんが、子どもの成長は親が思っているよりも速いものなので、「どうせ説明してもわかってくれない」などとさじを投げず、根気よく説明することを心がけましょう。
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自己主張とわがまま(自我主張)を見極めよう
自己主張と混同されやすく、かつ線引きが難しいといわれるのが自我主張、いわゆる「わがまま」です。
自己主張も自我主張も、自分の意志や気持ちを表現する点は共通していますが、後者は他人やまわりへの気遣いがなく、ただひたすらに自分の欲を満たすために行う表現です。
例えば、買い物中に子どもがパパ・ママに「あのお菓子を買って」とねだったとします。「お菓子が欲しい」という思いは子どもの自己主張ですので、頭から否定したり、押さえつけたりするのはNGです。しかし、「もう他のお菓子を買ったから、このお菓子は買わないよ」と伝えても、その場で泣き叫んで「イヤだ!このお菓子も絶対欲しい!」と主張するのはわがままです。
こういう場合は、「このお菓子もおいしいよね。欲しがるのはわかるよ」と子どもの自己主張は認めつつ、「でも今日はもう他のお菓子を買ったよね。お菓子を買うのはひとつだけって約束したから、また今度ね」と説明し、子どもの「わがまま」は受け入れないという姿勢を保ちます。
子どもが理解して我慢したら「わかってくれてありがとう。今度お買い物に来たら買おうね」と理解を示したことに感謝すると、子どもは親に話を聞いてもらえたことと、理解して褒められたことの両方に満足し、それ以上わがままを言うのを控えるようになります。もちろん、次に買うことを約束したら、それを必ず守ることも忘れないようにしましょう。
自己主張を認める=放任ではない
自己主張をわがままとみなし、すべて否定してしまうのはNGですが、逆にわがままも自己主張のうちと認識し、すべて容認してしまうのも問題です。
子どものうちは善悪の判断がつきにくいため、子どもにやりたい放題やらせていると、ルールや規律を無視して行動する子どもになってしまいます。小さいうちは良くても、他の子と集団行動するようになるとさまざまな問題や支障が生じる原因となりますので、自己主張は認めつつ、いけないことについては「なぜダメなのか」をきちんと説明することを意識しましょう。
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子どもの意見をしっかり聞いた上での対処が大切
子どもがしたいこと、やりたいことを言葉や態度で表現するのは成長の証であり、喜ばしいことです。中には、やってはいけないことや実現不可能なものも含まれており、それらを容認することはできませんが、子どもの「したい」という気持ち自体は受け入れてあげることが大切です。
やってはいけないことについても、頭ごなしに「ダメ」と叱るのではなく、なぜダメなのか、その理由をきちんと説明し、理解してもらうことを心がけましょう。
子どもの自己主張についてよくある質問
子どもの自己主張に関する相談でよくある質問をまとめました。(タップして回答内容を確認)
・子どもの意思を尊重し、理解を深める。
・許す範囲を明確にし、危険や他人への迷惑は許さない。
・単純に否定せず、わかりやすく理由を説明する。
これにより、子どもの成長をサポートし、親子関係を強化することができます。
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