「魔の2歳児」「イヤイヤ期」でも育児の基本は変わりません
児童心理学で「自我の芽生え期」や「第一次反抗期」と呼ばれる時期は、ベビーパークですと1歳11ヵ月~2歳5ヵ月ごろと認識しています。
よく「魔の2歳児」というと、お母さんはなんだかまるで2歳児の育児は非常に大変なのが当たり前だと思ってしまいがちです。「いやいや期」なんて呼ぶと2歳児は理由なくなんでもイヤだというものだと誤解してしまいやすくなります。そして、子どもの反抗的な言葉や態度だけから判断して、これまで頑張って努力してきたことや継続してきたことをやめてしまうケースが非常に多いのです。
本当の「魔」は2歳の子どもそのものではなくて、この時期にお母さんが「誤った育児観におちいってしまいやすいこと」や、その結果「これまでの努力を投げ出してしまいやすいこと」なのかもしれません。
では、「魔の2歳児」「いやいや期」をどう克服していくのか見ていきましょう。
ママパパの中にはイヤイヤ期が大変で毎日イライラで悩んでいるかも。その対処法をベビーパークが教えるよ。
イヤイヤ期の対処法を知る>>
イヤイヤ期は自我の芽生え期に見られる特徴
2歳前くらいまでの子どもはなんとなく自分とお母さんは一心同体のように感じています。しかし2歳ごろになると「自分は親とは別の存在である」ということを強く認識するようになります。
これは人格発達の上で非常に重要な一歩です。「自分」という意識に目覚めた後は「自分」という存在をことあるごとに確認しようとします。
子どもが「自分」を確認するためにおこなう2つの行動
顕著な行動は二つあります。
一つ目は「自分が!」「自分で!」と他者に対して自分を強く主張するようになります。
二つ目は「指示への拒否」です。「ご飯をたべなさい」→「イヤ!」「じゃあ、食べなくていいよ」→「嫌ぁ!!!」などというのはよくあるケースですよね。
一見なんでもかんでも「イヤ!イヤ」を連発しているように見えるかもしれませんが、ここで子どもが嫌がっているのは「ご飯を食べるかどうか」ではなくて「親が指示をする」ということに対してなのです。
子どもは「自分の行動の主体的な発案者」でいたいのです。自分が食べたいと思ったからご飯を食べる。そういう形にしたいのに一言でも「ごはんよ」と言われてしまったら、こどもにとってはもう発案者はお母さんということになってしまうのです。
大人にしてみれば「先に口にしたのが誰であろうが、自分も心の中でそう思っていたのならそれでいいじゃない?」と考えるところですが、子どもにとっては大違いなのです。一言でも先に言われてしまったら、もう自分の主体的な行動ではなくなってしまった。と感じ、「余計なことを言ったお母さん」に対して怒りを感じ不機嫌になるのです。
ですから、大人がなるべく「先まわって次の行動を言葉にしてしまわないこと」を心がけるだけでも「イヤ」の回数は激減します。言葉にする代わりに「次の行動に必要な道具を子どもの視野に入る範囲に用意しておく」など、子どもが気付くような支援が有効です。
「イヤイヤ期」は思い通りにならないことを学ぶ時期
子どもはこの時期、大人への反抗や自己主張を通して、自分の意志を通せることと通せないことの区別を学んでいきます。また行動を規制されたり禁止されたりすることによって、自分と他者では意図や要求、願望や好みがそれぞれ違うことに気付いていきます。
「イヤイヤ期」を通じて子どもは社会との関わり方の基礎を学ぶ
子供から見て親は絶対的で権威的な存在です。親が「ダメ」ということは子どもにはどうすることもできません。また親は、子どもが上手くできないこともいろいろできます。そして、次第に親と子どもの関係は対等でないということに気づくのです。
子どもの反抗は親や大人に向かうものであり、それを受け止める大人がいてあげなければ成り立ちません。反抗を通してどう主張すれば絶対的な存在に思える大人を妥協させられるか、自分はどのくらいで妥協すべきかなどの感覚を身に付けていきます。社会に出て自分以外の人間と関わるための重要な基礎レッスンです。
親は反抗に対して認められることとダメなことの線引きを明確にしておく
ですから親の方も、普段から「認められること」「日常的には認められないが特別な時は許せること」「いかなる理由でも絶対にダメなこと」など両親の中でガイドラインを明確にしておき、子どもの前ではブレないようにしましょう。親への反抗を通して子どもは「世の中は自分の思い通りにはならない」ということを学ぶのです。同時に親は「子どもは親の思い通りにはならない」ということを学ぶのです。
「イヤイヤ期」の子供との接し方~ケース別対応
この時期に気を付けたい育児の罠は、子どもの予想外の自己主張に疲れ果てて、それまで頑張ってきた育児の努力を投げ出してしまいやすくなる事です。
ですから、この時期の子どもの特徴を理解し、ゆったりとした気持ちで日々の努力を継続していきましょう。では、ありがちな日常から子どもの思い通りにならないことを紹介していきます。
1.日々の日課・身支度や清潔を保つためのルーチンワーク
「起床時刻・就寝時刻」「食事」「お風呂」「歯磨き」「お片付け」「保育園や習い事の通園」などです。これは「子どもの思い通りにはならないこと」ですので、今からしっかり身に付けておかなければ、将来、人としての品格に関わります。
これらの事に対する子どもの「嫌!」は「面倒くさい」「そのワークに何か不快な因子がある」「今は他の楽しい事をしているから後にしたい」のいずれかです。まずは子どもが不快を感じていないか?大人のやり方に改善箇所がないか?を考えます。その部分を上手に解決してあげましょう。
2.知育やお稽古事に関すること
子どもの「学び」は「子どもの関心が向いている時にもっとも伸びる」ので、「親の思い通りにはならないこと」です。
しかし、だからといって子どもの自由にさせておいても効果的な成長は絶対に得られません。子どもが将来、人間の社会に適応するために必要な能力を高水準で身に付けさせてあげるために、大人が用意してあげるべき教育が存在します。そういった大切な教育を適切な順序で適切な時期に用意しているのがベビーパークです。
ところが、どこの幼児教室でも「やめようかと悩む生徒さん」が現れがちなのが実は2歳代なのです。
理由は「自我の芽生え期」を迎えている子は、お母さんや先生が「これをしましょう」と言っても従わないため、お母さんの目からみると知育が上手くいかないと感じやすいのです。
ですから一部のお母さんは「ウチの子はレッスンを楽しんでいない、興味がない」と思いこんでしまうのです。実は「自我の芽生え期」の特徴から、小学校のように「先生が課題を与える」というスタイルでは必要なことを上手く学べないのです。
「自己主張・反抗」が適切に表れている大事な時期には、それを温かい目で見守る大人達や仲間たちが必要になります。居心地の良い空間で子どもは「適切な学びとの出会い」を獲得します。習得する前にまずは「出会うこと・存在を知ること」が大事なのです。「不快な空間で出会ったこと」は「嫌い」になりますが「快適な空間で出会ったこと」は「興味の対象」として意識に残ります。
しかし、出会いだけで活動が不足すれば身には付きません。ここで重要な役割をになうのはお母さんです。ベビーパークでは、お母さんに講師のすることをしっかり見て覚えていただいています。子どもの発達・興味・関心というものは一人一人まったく違います。ですから、「お母さんが必要な教育を覚えておいて」「わが子のここぞというタイミング」でそれを実践してあげることが最適なのです。教室での種まきがあれば、近いうちに必ずお子さまが興味をもつ日が来ます。個人差はあるのですが大体「3か月以内」に時期がくるケースが多いです。
3.人の道、心の徳に関すること
これは「絶対にブレてはいけないこと」です。「反抗」も「自己主張」も何かを傷つけることの理由にはなりません。大人は感情を荒げることなく、穏やかに毅然と「いけないことはいけない」ときっぱり伝えましょう。ただし1分以内にしましょう。長いお説教は効果が薄れます。
また、「挨拶をする」「感謝を伝える」「悪い時はあやまる」という習慣は日々くり返し育てましょう。子どもに強制するのではなく「親が見本・手本を見せ続ける」という方法でしつけましょう。無理に言わせると「ありがとう・ごめんなさい」を口にすることへの激しい抵抗感を深層心理に刷り込んでしまいます。
あいさつなどの言葉は無理に言わせなくて構いません。親が毎日見本を見せてくださいね。
「イヤイヤ期」を乗り越えるためのポイント
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1.言葉の発達を促す
一般的に魔の2歳児と呼ばれるようなほとんどのトラブルは「自分の気持ちや欲求を上手く伝達できないから」起こるものです。大泣きも暴力も地面に寝て動かないのも、「言葉で表現」ができれば大半は収まります。
2.粗暴な言葉や態度を見せない・聞かせない
子どもの問題行動にはどこかにその参考となっている「モデル」が必ずあるものです。両親の言葉使い・感情的な態度に改善点がないか常に意識しましょう。またせっかく親が気をつけてもTVやDVDで覚えてしまっては台無しです。
3.グズリに負けない
大泣きや暴力をやめさせるために子どもの欲求を聞き入れることは断じてしてはなりません。
4.誘惑の味を覚えさせない
3~4歳ごろには「我慢すること」を覚える適期が訪れます。しかしそれ以前に子どもにとっての「大きすぎる誘惑」を覚えてしまっていると我慢の力が誘惑に勝てないのです。甘いお菓子、油を使ったスナック菓子、思考せずとも次々に場面が愉快に切り替わってくれるスマホやタブレット、これらは幼児にとって「自制心が勝てない大きすぎる誘惑」です。
しかし、その「蜜の味」を知りさえしなければ欲求も沸き起こらないのです。すでに覚えさせてしまっている人は、できるだけ早く忘れさせてあげてください。
子どもをグズらせないための小道具として幼児期から与える人が結構多いですが間違いです。「我慢の力がしっかりと育ってから」与えるべきなのです。
ぜひ、今回お話いたしました中から、できることを始めてみてくださいね。
まとめ
イヤイヤ期は子どもの自我の発達にとって重要な時期であり、親としては冷静かつ一貫した態度で対処することが求められます。この時期の育児は簡単ではありませんが、子どもが社会との関わり方や自己主張の方法を学ぶ大切なプロセスです。
子どもが自分の意思を確認するための行動を理解し、適切なサポートを行うことで、親子関係をより良いものに育むことができます。
また、親は子どもに対して明確なガイドラインを設け、しっかりと見守りながら育てていくことが大切です。子どもの成長を見守りつつ、日々の小さな努力を続けることで、イヤイヤ期を乗り越えられることでしょう。
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