自己受容とは?
自己受容とは、あるがままの自分を理解し認めたうえで、全てを受け入れることを指します。「あるがままの自分」とは、いいところも悪いところも全てひっくるめた「自分」のです。自己受容する場合には、長所・短所それぞれを評価したりはせず、無条件で受け入れます。よって、自己受容する場合には、仮に現状に不満があったとしても、全てを容認し、受け入れ、認める気持ちが基本となります。
自己受容が正しくできる人は、自分はもちろん、他の人も認められるようになるため、生きづらさに悩むときが少なくなる傾向にあります。子育ての場面では、子どもの自己受容を上手に育むと、さまざまなメリットが得られます。
自己受容とは、自分の良いところも悪いところも受け入れ、認める力のことなんだね。
自己肯定感との違い
自己受容と似た言葉に、自己肯定感という言葉があります。自己受容と自己肯定感にはどのような違いがあるのでしょうか。
自己肯定感はありのままの自分を認めたうえで、いいところも悪いところも全てを受け入れ、自分を価値ある存在として受け入れられるようになる感覚を指します。自己受容がありのままの自分を認め、長所も短所もある自分を受容する感覚なのに対し、自己受容を基礎とし、自分を価値ある存在として肯定するのが自己肯定感です。あくまでも自己肯定感は、正しく自己受容ができてこそ、育っていくものとなります。
逆にいうと、正常な自己受容ができないまま育ち、自己肯定感だけが育っている子どもには危険な面があります。ありのままの自分を受け入れられないまま「〇〇ができているからすごい」といった感情になりやすいのです。条件付きで自分を見てしまうことで、苦しくなってしまうこともあるでしょう。
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自己受容ができることによって子どもに得られる3つのメリット
正しい自己受容ができると、子どもには次のような3つのメリットが得られます。
1. 自分を無条件で受け入れられるようになる
短所も長所もありのままを認めて受容できるのは、自己受容で得られるメリットの1つです。
自己受容ができると、自分のいいところも悪いところも無条件で受け入れられるようになるため、条件付きでしか自分を見られなくなるようにはなりません。また自分に対して失望感を感じてしまう場面も少なくなります。
2. 心の余裕ができ、他人にやさしくなれる
自己受容が進むと、他人に振り回される場面も少なくなります。周りを気にしなくなるため、心の余裕ができ、他人に対しても優しい気持ちになります。
また心の余裕から自信が生まれるので、新たなチャレンジ精神も育まれます。うまくいかなかったから自分はダメだなどと結果によって自分の価値が変わることもありません。
3. うまくいかない場面でも次にどうすればよいかを考えられる
人生ではうまくいかない出来事も多々ありますが、自己受容ができている子どもは自分に自信があるため、上達できる努力の方法を考え、新たな行動につなげられます。失敗しないために次にとるべき行動を自ら考えられるようになるのです。
自己受容が正しくできていれば、1つの失敗に立ち止まるのではなく、次に進むためにやるべき努力の方法を考え、自分から行動を起こせるようになります。
ありのままの自分を受け入れることができているからこその力と言えそうだね♪
自己受容ができないまま育つとどうなるの?
では自己受容ができていないまま、自己肯定感だけが育っている状態だと、子どもの成長にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
通常、子どもはさまざまな成功体験をすると、自分の心に自己肯定感を育てていきます。しかし子ども自身が自己受容をできないまま、自己肯定感だけが育っている状態となると、ありのままの自分を受け入れられません。よって、自己受容の育っていない子どもは、私は〇〇ができるからえらいんだと条件つきでのみ自分を肯定するようになってしまいます。
また自己受容の育っていない子どもは、ネガティブな面からみた自分を受け入れられないため、仮に失敗してしまった場合などは、ネガティブな部分に目を向けられません。現実を直視しようとすると、今度は失敗してしまった部分のみがクローズアップされてしまい、失敗した自分は努力しても意味がないと考えてしまう傾向にあります。
自己受容ができていないと、次にどうしたらうまくいくのか、また何に気をつければいいのかと考えるといった次への選択肢も見えてきません。ありのままの自分を認められなければ、子どもは失敗に対し、次にすべきチャレンジの方法もわからないままとなります。
自己受容ができている子どもは、ありのままの自分をしっかりと認めたうえで、次にとるべき方策も考えられます。自己受容の有無が、失敗のあとに取るべき行動をみずから考えられるか否かに影響している点からいっても、子どもの自己受容の育み方は重要なポイントとなります。
自己受容ができていないと条件がないと自分を認められなかったりなど弊害がありそうだね。
自己受容ができると自己肯定感が高まる
親が子どもの自己受容を育むと、子どもはありのままの自分を理解し、短所と長所を全てひっくるめたうえで、全ての自分を受け入れられるようになっていきます。そして、自己受容ができるようなった子どもは、たとえいかなる自分であっても価値ある存在だと受け止め、自己肯定感を持って肯定的に捉えるようになっていきます。
子どもが自己肯定感を高めるためには、子ども自身が自分の長所だけでなく、短所もよく理解し、ありのままを受け入れていくようになる必要があります。
自己受容ができる子どもを育てるには?
きちんと自己受容ができる子どもは、自分の長所も短所もひっくるめて全て無条件に受け入れられるため、多少の困難ではへこたれません。さまざまなトラブルに立ち向かい、乗り越えた経験を積むと、子ども自身の自己肯定感を高めるのにも役立ちます。つまり、子どもが今後の人生で自分の道を積極的に切り開いていくためにも、子どもの自己受容をいかに上手に育てるかが重要となります。
では子どもの自己受容を育むために、親はどのようなことに気を付けるべきなのでしょうか。ここでは自己受容ができる子どもを育てるためのポイント3つを取り上げ紹介します。
1. 否定する言葉を避ける
子どもの自己受容の感覚を育てるためにも、子どもを否定する言葉は避けるようにしましょう。
子どもに限らず人間誰しも、自分が否定される環境より、自分を肯定してくれる環境に身を置く方が、ありのままの自分を受け入れやすくなります。親は、もし子どもにできない事がらがあったとしても、子どもができなかった事実に対して寄り添い、何があっても私はあなたを受け入れるという気持ちを伝えるようにしましょう。
子どもに対し、あなたはダメな人間だと否定するのではなく、あなたは今のままのあなたでいいんだ、と伝えると、子どもは自己受容ができるようになり、自分を認められるようになります。
2. 欠点も含めて自分であることを伝える
自己受容できる子どもは、自分の欠点を含めたありのままの自分を認め、全てを無条件に受け入れられるようになります。
親が子どもの自己受容を育むには、子どもの長所だけでなく、欠点も全てひっくるめて自分だと伝える必要があります。そして子どもには「いいところばかりじゃない。悪いところもいっぱいある。だけどそんなあなたも大好きだ」と伝え、全てを受け入れると、子どもが今のままの自分でも十分愛されていると思えるようになります。
結果として、子どもは条件付きの愛で自分をみるのではなく、ありのままの自分を受け入れて自分を見られるようになります。
3. 無条件に愛していることを伝える
子どもは、親が無条件に自分を愛していると伝えると、自己受容の感覚を育んでいきます。
自己受容の感覚を無理なく育むためには、親が子供に対して惜しみなく愛情を注ぐのも重要となります。子どもが親からの愛情を実感できるようにするためにも、今あなたがここにいてくれるだけでとても幸せだと思い切り伝えましょう。そして子供を何度も何度も抱きしめてあげましょう。
親からの無条件の愛を注がれていると実感できると、子どもは正しい自己受容を育て、やがては自己肯定感の向上にもつながっていきます。
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【まとめ】子どもの自己受容をはぐくみ自己肯定感を高めよう
自己受容の感覚をはぐくむと、子どもは自分のよいところも悪いところも全てを受け入れ、認められるようになります。また、過去に他人から受容された経験があると、自然と自己受容の感覚が育まれるとされています。よって子どもにとっては、親からどうやって育てられたかが、子どもの自己受容ができるか否かに関わってきます。
子どもが自己受容の感覚を身につけると、ありのままの自分を無条件に受け入れるようになり、結果的に自分に対する価値を見つけて自分を肯定する自己肯定感の向上が可能となります。子どもの正しい自己受容を育むためにも、親は子どもの長所だけでなく短所も含めた全てを受け入れ、認めて、無条件の愛情を惜しみなく注いであげましょう。
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