幼児が習い事をしている割合はどれくらい?
子どもの将来のために何か習い事をさせたいと考えてはいるものの、いつから始めて良いものかとお悩みの親御さんも多いでしょう。他のご家庭では、いつから子どもに習い事をさせているのでしょうか?
少し前の調査にはなりますが、厚生労働省が2006~2007年にかけて行った5歳6カ月の子どもを対象にした「第6回21世紀出生児縦断調査」では、習い事をしている子どもの割合は56.6%でした。(※)
この結果を見ると、就学前から多くのご家庭で、子どもに習い事をさせていることが分かります。心身の発達が著しい幼児期から習い始めることで、子どもの体と心の成長を促す効果が期待できます。
※出典:第6回21世紀出生児縦断調査(2021年9月29日利用)
習い事をする4つのメリット
幼少期から始める習い事が、子どもの成長にどのようなメリットをもたらすのか? 大きく分けると以下の5つです。
- 心身ともに成長過程の刺激になる
- 視野が広がる
- 学校や家庭以外で交流を深める環境ができる
- 一生モノの能力を伸ばせる
- 目標達成による自信がつく
次に詳しく見ていきましょう。
1. 心身ともに成長過程の刺激になる
幼少期の子どもの身体や心は、外部からの刺激を吸収して成長していきます。幼児の脳は、3歳にはすでにほぼできあがると言われており、この時期に習い事を通じて良い刺激をたくさん与えてあげることで、知的能力や運動能力の発達を促す効果が期待できるのです。
0歳からでも始められる幼児向けの習い事には、さまざまなものがあります。特に伸ばしたい子どもの能力に合わせて、習い事を選んであげると良いでしょう。
※出典:世界子供白書2001 〜幼い子どものケア〜 The State of the World’s Children 2001 - EARLY CHILDHOOD
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2. 視野が広がる
幼少期は好奇心が最も旺盛な時期であるため、子どもはさまざまなことに興味や関心をもっています。この時期の子どもにとって大切なことは、新しい経験ができる場をどんどん増やしてあげることです。
家庭や学校で経験できることは限られているため、習い事をさせることで新たに経験できる場が増えます。子どもは色々な経験を通じて多くのことを学ぶことにより、視野を広げていくことができるでしょう。
3. 学校や家庭以外で交流を深める環境ができる
子どもにとって、学校や家庭以外の交流の場が増えることは、社会性を磨くうえでも良いことです。特に習い事の教室には、共通の興味をもった子ども達が集まっているので、子ども同士で会話を楽しみながら、コミュニケーション能力を養っていくことができます。
また、チームワークを必要とされるようなものでは、力を合わせて目標を達成する喜びや、他者を思いやる気持ちなども育むことができます。
4. 一生モノの能力を伸ばせる
習い事は、楽器の演奏や英会話の能力といった特定のスキルを身につけるだけではなく、あらゆる場面で応用のきく能力を身につけることができます。
例えば、目標に向かって努力し続けられるモチベーション力であったり、集団の輪の中に入ってチームプレーを大切にできる協調性であったりと、社会に出てから自立して活躍するために必要な能力を磨くこともできるのです。
5. 目標達成による自信がつく
初めは上手くできなくても、練習を積み重ねてできるようになることで、「やればできるんだ」という自信につながっていきます。自信がついた子は、物事に対して前向きに取り組むことができるようになり、モチベーションも維持できるようになるでしょう。また自信がつくと、他の子との交流も積極的に行おうとします。
幼少期から始める習い事の多くは、子どもが楽しく学ぶことを目的としているため、達成しやすい目標が設定されています。幼少期から習い事を始めることで、子どもに自信をつけさせることも期待できます。
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幼児からできるおすすめの習い事
幼少期から始めるのに最適な習い事にはどういったものがあるでしょうか?次に、0歳と3歳それぞれから始めるのにおすすめの習い事を紹介します。
0歳からできる習い事
まずは、0歳から始められる習い事を紹介します。
- 幼児教室
- 英会話教室
- リトミック
- ベビースイミングスクール
それぞれについて詳しく解説します。
◆幼児教室
子どもの知的能力を伸ばしたいと考えているなら、幼児教室に通うのがおすすめでしょう。幼児教室は、子どもが楽しみながら無理なく知的能力を伸ばすための活動を取り組めるカリキュラムが組まれていますので、効率的に子どもの能力を伸ばすことができます。
また子どもだけでなく、同じ年頃の子どもを持つ親同士の交流を持つこともできますので、子育てに関する相談や情報交換といったこともできるでしょう。
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◆英会話教室
2020年から小学校での英語教育が必修となり、幼児期からの英語教育に注目が集まっています。幼少期の子どもは、脳が発達段階にあるため飲み込みが早く、英会話を覚えるにはまさにベストなタイミングです。
特に0歳の子どもは聴覚を敏感にはたらかせ、周囲の大人の会話を聞いて言葉を覚えようとしています。赤ちゃんの聴覚が敏感な時期に始めることで、早い段階で英会話を身につけることが期待できます。
◆リトミック
リトミックは、他の子ども達と一緒に音楽に合わせて歌ったり、体を動かしたり、演奏したりすることで、子どもの知的・身体的・精神的能力の育成を目的とした教育法です。スイスの音楽教育家である、エミール・ジャック=ダルクローズによって考案されました。
音楽を使って楽しく子どもの能力を伸ばすリトミックは、0歳からでも取り入れやすい習い事の一つです。
◆ベビースイミングスクール
怪我の心配が少なく、無理をさせずに体力をつけさせたいならベビースイミングがおすすめです。水泳は、浮力によって小さな負荷で大きな運動量を得ることができます。
体の一部分に負荷がかかるようなスポーツと違い、水泳は全身を使った運動になりますので、怪我が少ないのも特徴です。また水圧によって肺に負荷がかかることで、心肺機能を高める効果もあり、子どもに多い小児喘息の予防にも効果が期待できるといわれています。
1歳からできる習い事
1歳や1歳半から始められる習い事としては次のようなものがあります。
- 通信教育
- 水泳・スイミングスクール
- バレエ・ダンス
それぞれについて詳しく解説します。
◆通信教育
1歳児の子どもの教育を考える際には、1歳・1歳半から始めることができる通信教育が魅力的です。通信教育は子どもの興味や好奇心を引き出すことを目的とした内容が多いです。
例えば、絵本やおもちゃを使って遊びながら学べる通信教育があります。これにより、子どもは楽しみながら学びの基礎を築くことができます。また通信教育は、自宅で気軽に始められ、親子で一緒に取り組むことができるので親子の絆を深められるメリットがあります。
◆水泳・スイミングスクール
運動能力を向上させるのに、水泳・スイミングスクールは1歳や1歳半の子どもに特におすすめです。
水泳やスイミングスクールは、水に慣れながら基本的な泳ぎ方を学ぶことができます。水の中で遊びながら体力をつけることができるため、子どもも楽しみながら続けられます。また、水の中での運動は関節への負担が少なく、怪我のリスクも低いです。
◆バレエ・ダンス
1歳や1歳半の子供の習い事では、バレエやダンスも人気です。
バレエやダンスでは、音楽に合わせて体を動かすことでリズム感や柔軟性を養うことができます。1歳児のときにバレエやダンスを始めることで、姿勢や体の使い方を自然に覚えることができ、将来の運動能力の基礎を築くことができます。
また、グループでのレッスンを通じて、他の子どもたちとの交流も深めることができます。楽しい音楽と一緒に体を動かすことで、子どもたちは笑顔でレッスンに参加できます。
2歳からできる習い事
幼稚園に入る前の2歳や2歳半から始められる習い事としては次のようなものがあります。
- 音楽教室
- 絵・工作
- 空手
それぞれについて詳しく解説します。
◆音楽教室
楽器に触れたり、歌を歌ったりすることで、音楽に親しむことができる習い事として、音楽教室は2歳や2歳半の子供におすすめです。2歳児の子どもは音楽に対する感受性が高いため、音楽教室の習い事は情緒の発達にも良い影響を与えます。リズム感や音感を養うことは、将来の音楽教育の基礎にもなります。
また、音楽を通じて表現する楽しさを知ることができ、自己表現の幅が広がります。
◆お絵描き・工作
創造力を鍛えるおすすめの習い事としては、2歳児の子どもが楽しめるお絵描きや工作の習い事があります。お絵描きや工作の習い事では、さまざまな素材や道具を使って創作活動を行います。
また、手先を使った細かい作業を通じて、運動能力や集中力の向上にもつながります。子どもたちは自分の作品を通じて達成感を味わうことができ、自己肯定感も育まれます。
◆空手
空手は、基本的な動作を学ぶことで身体能力を高めるだけでなく、礼儀作法や集中力も養うことができ、2歳児の子供にもおすすめです。2歳や2歳半でも空手は始めることができ、軽い運動や遊びを通じて基礎的な動作を身につけさせるのに役立ちます。
空手の練習を通じて、自己コントロールや忍耐力を学ぶことができるため、精神面の成長にも役立ちます。また、集団での稽古を通じて、他の子どもたちとの協調性や社会性を育むことができます。
3歳からできる習い事
幼稚園に入る頃の年齢である、3歳頃より始められる習い事としては次のようなものがあります。
- ピアノ
- 体操
- サッカー
- 和太鼓
それぞれについて詳しく解説します。
◆ピアノ
ピアノを習うことは、音の表現力を豊かにするだけではなく、脳を活性化させる効果もあります。ピアノの演奏は、楽譜をみながらメロディを瞬時に覚え、右手と左手を上手くコントロールしながら、鍵盤を正確にたたくといった、複数の作業を同時にこなさなければなりません。
これは記憶力や空間認知能力、思考力といった脳の機能を活性化させ、くり返し行うことで脳機能の発達を促すことにつながります。幼児期からピアノを始めることで、脳が活性化され、その後の学習能力の向上も期待ができます。
◆体操
3歳にもなると、筋力も大分ついてきて活発に動き回るようになります。体力を持て余しているお子さんには、全身を使った運動ができる体操がおすすめでしょう。体操は基礎体力や柔軟性を高めるだけではなく、運動に必要な調整力も鍛えることができます。
調整力とは、体全体を巧みに使って、運動中の体をバランスよくコントロールする能力のことです。この調整力を身につけることによって、あらゆるスポーツへの可能性を広げることにもつながります。またできなかった種目が練習を通じてできるようになれば、達成感や集中力を上げることにもつながっていきます。
◆サッカー
男の子に人気の高いスポーツであるサッカー。最近では「なでしこジャパン」の活躍により、女の子にも人気があります。サッカーは、筋力や敏捷性、持久力といった基礎体力を上げるだけではなく、チームプレーを通じて協調性やコミュニケーションスキルといった能力も養うことができます。
またルールを守り、対戦相手を敬うことで、フェアプレイ精神を身につけることもできるでしょう。幼少期から社会性を培うことで、幼稚園や小学校といったその後の集団生活も楽しく送ることができるようになります。
◆和太鼓
音楽系の習い事の定番といえばピアノやヴァイオリンでしたが、最近は和太鼓も子どもの習い事として人気があります。人気の理由は、叩くだけで簡単に音を鳴らせることから、子どもでも取り組みやすいという点にあるようです。
和太鼓も剣道や茶道と同じように礼節を重んじている習い事です。多くの教室では始まりと終わりの挨拶から教えており、幼少期からきちんとした礼儀作法を身に着けることができます。また、みんなと一緒に演奏していくことで協調性が身につけることもできます。
習い事をするときの注意点
幼少期より習い事をさせることは、子どもにとってメリットが多いですが、注意しなくてはならいこともいくつかあります。
親が必死になりすぎない
習い事をさせていて成長がなかなか目に見えてこないと、焦る気持ちから子どもにもっと練習をさせたいと思うこともあるでしょう。しかし、無理強いをすることは子どもの楽しく学ぶ機会を奪ってしまい、やる気を低下させる原因になります。
子どもの頑張っている姿勢を温かく見守り、上手くできた時はしっかりと褒めてあげて、子どもがモチベーションを維持できるよう親はサポートする側に回ることが大切です。
子どものやりたいことをやらせてあげる
子どもの成長を望むあまり、親が一方的にあれもこれもと習い事をさせるのは、子どもにとってはかえって負担となってしまいます。まずは、子どもの「やってみたい」という気持ちを尊重することが大切です。子どもが興味を示しているものであれば、楽しみながら学ぶことができるでしょう。
しかし、この時期の子どもの興味は変わりやすいため、子どものやる気を見極めることも大切です。まずは体験レッスンなどに参加して、子どもの本気度を確かめるのがいいかもしれません。
親や家庭の負担にならない範囲でやる
習い事は月謝の他にも色々と費用がかかります。例えば、習い事に必要な道具を揃えるための費用や発表会への参加費、通うための交通費などがあります。
習い事を始める前に、月謝以外でかかる費用のことも調べておき、家計の負担にならない範囲でやるのが重要です。また教室への送り迎えや、レッスン中の付き添いなど時間的な拘束を受けることも忘れてはいけません。これによって親側が多忙を極め、ストレスにならないよう注意も必要でしょう。
幼児の習い事についてよくある質問
幼児の習い事に関する相談でよくある質問をまとめました。(タップして回答内容を確認)
【まとめ】一番大切なのは子どもが楽しくできること
今、幼少期から習い事をさせるご家庭が多くなってきています。子どものうちから習い事をさせることは、心身の発達に良い影響をもたらし、子どもの視野を広げるなどさまざまなメリットがあります。0歳から始めることができる習い事も増えてきているため、子どもが興味のありそうなものを見つけることができるでしょう。
ただし親が熱心になるあまり、子どもに無理強いをするのは良くありません。家計に無理なく、子ども主体で楽しんで続けられることが習い事選びで大切なことです。
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