育児で疲れてイライラ…育児ストレスへの対処法について②

No.93更新日付:2024年11月14日

子育てをしていると、なかなか言うことを聞いてくれなかったり、思い通りにいかないことも多くて、ついイライラしてしまったり感情的になってしまったりするものです。「こんな子かわいくない」「こんな子いらない」などといった気持ちになってしまい、そんな自分にまたショックを受けてしまったり、という話も実はよく聞きます。

こちらの記事では、コラムNo.92「育児で疲れてイライラ…育児ストレスへの対処法について①」でご説明した感情をコントロールする3つのポイントのうち、残り2つについて説明していきます。もし、まだコラムNo.92「育児で疲れてイライラ…育児ストレスへの対処法について①」が未読でしたら、そちらから順番に読んでみてくださいね。

どんな親でも子どもに対してイライラしてしまうもの

前回、コラムNo.92「育児で疲れてイライラ…育児ストレスへの対処法について①」では、我が子に対してイライラする時の心の制御ポイントを3つ挙げました。

  1. 「感情」とはホルモンの影響によって生じていると論理的に考える
  2. 相手を思い通りにしたい気持ちをいったん捨てる
  3. 自分の中の常識の枠を広げる

今回は2【相手を思い通りにしたい気持ちをいったん捨てる】ということを中心にお話いたします。

イライラする時「原因」を無理に考えない

イライラのほとんどは子ども相手に限らず相手が大人だとしても、相手に怒りや不安の感情がわき起こり「誰かがこうした」か「誰かがこうしなかったか(できなかった)」の二つに集約されます。

前回、いらだちの感情をコントロールするためには、「いらだちの原因を見極める」とお伝えいたしましたが、初めて能動的に取り組む場合はまずは「原因」は考えないほうがよいです。

なぜならば、慣れないうちに「原因」を考えようとすると、ついつい「誰が悪い」という考え方におちいりやすくなります。

多くの人は自分以外の他人を責めてしまいますが、中には「自分自身」を責めてしまう人もいます。自分を責めるのは一見謙虚で優れたおこないにも見えるのですが、やはり本質的には「トラブルの責任を求めて誰かを糾弾する」ことに変わりありません。

ですから、人は他人を傷つけるのはもちろん論外のことですが、自分を傷つけることもすべきではないのです。

イライラの「原因」ではなく、感情が生じる「目的」を考える

何らかの感情が生じる時には「目的」があるものです。何をどうしたくてこういう気持ちになっているのだろう?と考えます。

例えば「怒り」という感情には「誰かがこうしてくれない!」という思いがあり、相手を脅して言う事をきかせようとしてしまいます。ですから「相手を思う通りに動かしたい」という気持ちが消えれば怒りの感情は一瞬で消え去るのです。

相手が自分のお願いを聞かないといけない理由はないことを受け入れる

しかし、「怒り」の感情は「哀しみ」と表裏一体です。先程の思いを哀しみの視点から見ると「誰かがこうしてくれなかった」「誰かにこうして欲しかった」と「あなたの願い」に言い換えられます。まずは対人関係において、相手があなたの願いをきかなければならない理由はどこにもないと認めて、受け入れましょう。この感覚を十分に身につけると、日常生活において腹が立つ出来事の数は相当減ります。

また大人同士の場合は、相手に自分の願いを聞いて欲しければ「命令」ではなく「お願い」すればいいのです。もちろんその人にとっての「できる限り」ですから、すべてが叶うと思ってはいけません。

親子という「縦の支配関係」の上手な受け止め方

お母さんは「教育」「しつけ」「正義」という大義名分の元に、子どもに「命令」してしまっているのが実情です。命令には人間は本能的に反発します。それは「自由を求める本性」という本能を抑圧する行為だからです。

「縦の支配関係」が成り立つための要素

このような「縦の支配関係」は下位の立場の者が上位の立場の者を心から尊敬し、敬愛していれば成り立ちます。縦の支配関係が成り立つのは上位の者が下位の者に対し

「相手を心から愛している場合」
「何があっても、自分の身を捨ててでも下位の者を守る気持ちがある場合」
「相手から尊敬される要素を有している場合」
「指示・命令内容は下位の者の能力範囲内の場合」
だといえるでしょう。

そして、親子という縦の支配関係もこの法則から逸脱するとうまくいきません。

ほとんどの親御さんは、先ほどの縦の関係の条件を3つ目まではクリアしているものです。
しかし、だいたい4つ目の「指示・命令は能力範囲内の場合」という項目で失敗しているものです。

お母さんの「できて当たり前」は子どもには当てはまらないもの

お母さんの常識において「できて当たり前」の事柄は、子どもにとってはまったく「できなくて当たり前」なのです。子どもはまだ現代人ではなく、限りなく動物や原始人に近い存在だと認めてあげましょう。

また、「やればできる」という事柄と「自分自身で状況を判断して、やるべきか決断し継続しておこなう」とは、まったく能力のレベルが違うのだという認識を両親は持つようにしてください。

子どもを否定せず、まだできない事を認め受け入れてあげよう

多くのお母さんは「訳わからないわ」などと、小さい我が子に対してだけは平気で相手の行動を理解しようとしない、我が子を侮ったような否定的な言葉を口にすることがよくあります。

子どもにしてみれば、お母さん・お父さんが本気で取り合ってくれないのは心に傷を作っていくばかりなのです。さらに、子ども達はみんなお母さんのことが誰よりも大好きですから、「どうしてこんなことをするの!」という場合はそのような「人を馬鹿にした口調」というものをすっかり真似するようになってしまうのです。

いつも子どもがお母さんの望むとおりに行動してくれるわけではありません。子どもに対して「まだできないのだ」と認め、受け入れてあげましょう

次回のコラムNo.94「育児で疲れてイライラ…育児ストレスへの対処法について③」では、これまでの内容をふまえたうえで、より具体的なシチュエーションを交えて、なるべくイライラせずに子育てをしていく方法をまとめていきます。よかったら参考にしてみてくださいね。

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