幼児期の子どもによい姿勢を教えるための心構え=焦らない
今回は子どもの健康を守るための「よい姿勢」という一生の宝物をプレゼントする具体的方法についてお伝えします。
まず、一番大切な心構えは「焦らない」ということです。小さい子どもはまだ筋力が十分に発達していません。子どもはそもそも「自分一人で座ることもできない」ところからスタートしているという事を思い出してみてください。
小学生の子どもにならば「姿勢よく座りなさい」と厳しく言い聞かせることもできますが、3歳未満の子にそのような注意をするのは不適切な指導といえます。まずは姿勢良く座れるようになるための筋力を、時間をかけて育ててあげることを考えるようにしましょう。
子どもに「よい姿勢」を教える具体的方法
それでは、具体的な方法を掲載していきます。どれも毎日の遊びやマッサージなどを通じてできるものばかりですので、ぜひ実践してみてください。
「ぶら下がり」をすることで胸郭を開き、筋肉の発達を促す
最初に胸郭を開くことがとても大切です。これは「ぶら下がり」をすることで、正しく子どもの胸筋を育て、肋骨を正しい位置に持ち上げる筋肉の発達を促し、胸郭を大きく開く効果があるのです。
ぜひ日々の遊びのなかで「ぶら下がり」運動を取り入れていくようにしましょう。
筋肉をやさしく「なでる」ことで育ててあげる
続いて、子どもの筋肉を育てるための「なでる」方法をお伝えいたします。
ベビーパークでは「皮膚刺激」を目的としたものを「さする」と呼び、「筋肉への刺激」を目的としたものを「なでる」と呼んでいます。「さする」は方向が特にないのに対し、「なでる」という言葉は決まった一方向への動きをあらわす場合が多いからです。
筋肉の発達を促す場合は、一定方向への決まった動きを意識した方がより効果が得られますので、「なでる」という表現を用いています。ただ、「さする」も「なでる」も手首の重みだけでおこなうことに変わりはありません。
具体的な子どもの筋肉を「なでる」方法
筋肉をなでる方向は基本的に「体の内側から外側へ」です。
- まずは大胸筋を育てます。肋骨を包み込むように両手をあてがって、親指から親指の付け根まで全体を使い、左右に開くようにマッサージします。
- 子どもの左の肋骨の下あたりから右の肩までななめになで上げます。2~3回で十分ですが、子どもが喜んでいるようでしたら20秒くらい続けても問題ありません。反対も同様におこないます。
- みぞおちのあたりに手を横に置き、決して力を加えずに手首の重みだけで下腹部までなでることで腹直筋を育てます。
- へその両側に手を置いて、わき腹まで手首の重みだけですべらせ、腹横筋を育てます。
- 先程の胸のマッサージ同様、親指全体を使って背骨から外側へと少しだけ力を入れてマッサージします。僧帽筋・広背筋の発達を促します。血液やリンパの流れもよくします。
- 腰のあたりは同じ動きからわき腹まで手を滑らせて背面の腹横筋も刺激しましょう。手がわき腹まできたら力を抜いて手首の重みだけにします。
- 背骨の横に沿って、親指の腹で上から下まで軽く押します。これは0歳9ヵ月以降におこないましょう。
腰のアーチを育てる運動について
次に簡単な体操をご紹介します。腰のアーチを育てる運動です。
赤ちゃんはまだ背骨のS字が完成していません。一人歩きできるようになって筋力が発達してくると少しずつ首や腰のアーチができ上がってきます。ただし、いずれもお子さまに無理強いすることは避けましょう。
- あお向けに寝かせ、足を曲げます。
- 自転車をこぐ要領で小さく回します。
- 片足を曲げたまま片足だけ斜め上に伸ばし、5秒くらいかけてゆっくりおろします。反対の足もおこないます。
ハイハイ遊びも首と腰のアーチを育てるのにとても効果があります。子どもの月齢や発達に合わせ、様々に工夫してハイハイ姿勢での遊びやゲームを各家庭で考えてみましょう。
ここまでは子どもの筋肉発達を促す遊びをご紹介してきました。
子どもに「よい姿勢」を意識づける精神面での取り組み
次に「よい姿勢」を意識づける精神面での取り組みについてお伝えします。
ここからは少しずつ対象月齢が上がっていきますので、よい姿勢というものに対して反抗心の芽を植え付けてしまうことにならないよう、強制しないようにしましょう。
「きをつけ、ピ!」の声かけをおこなう
まずは0~3歳共通なのは「きをつけ、ピ!」の声かけです。
ベビーパークのレッスンでも最初と最後のあいさつに取り入れています。「きをつけ、ピ!」という言葉と動作を合致させる遊びを頻繁に経験していると、やがて「ピ!」というだけで背筋を伸ばす習慣が自然とついてきます。
チャイルドシートに子どもを乗せる時の取り組み
車のベビーシートを卒業してチャイルドシートになったなら、車に乗る時はチャイルドシートに正しく座らせるようにします。ベルトで固定されることにより、正しい姿勢が維持され筋肉の成長を促します。
時折「お腹が痛いからイヤだ」という子どもがいると思いますが、それは内臓を持ち上げる筋肉がまだ充分に育っていないためで、きちんと座ることによって発達も促されます。短時間ならば、叱るのではなく「我慢できてえらいね。これでお腹がとっても強くなって痛くなくなるから頑張ろうね」とたくさん褒めてあげながら取り組んでみましょう。
よい姿勢をとった時はたくさんほめる、しない場合はスルーする
1歳11ヵ月以上でしたら、日常生活の中で時折「よい姿勢」を意識させます。「お背中、ピ!できる?」などと声かけして、きちんと良い姿勢をとったならばたくさん褒めてあげましょう。
逆によい姿勢をしないようならば、最初から何事もなかったかのようにスルーします。注意されたことは嫌いになり、褒められたことは好きになります。
「よい姿勢をしよう!」と思わせるには、褒めるチャンスのみを最大限に活かしましょう。食事中や読書中、生活の中で子どもがよい姿勢をしているのを見つけたらすかさず褒めます。地道なくり返しこそが、優れた生活習慣を子どもの深層意識に刷りこむ方法なのです。
まとめ:焦らずに子どもにじっくりよい姿勢を伝えていく事が大切
いかがでしたでしょうか? 小学生とはちがい、幼児期の子どもにはまだ姿勢について言い聞かせて伝えることは難しいものです。いっぽうで幼児期からよい姿勢につながる筋力や心構えを少しづつ粘り強く育ててあげることで、子どもに一生の健康をプレゼントできます。
決して強制することなく、一つのゲームや遊びとして取り入れながら楽しく子どもに「よい姿勢」の基本を教えてあげましょう。また、そのためには親自身がよい姿勢でいることも大切です。無理せずご自身の姿勢についても見直してみてくださいね。
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