姿勢のよさは人間の健康に直結している
姿勢がよいと外見的に美しいことはいうまでもありませんが、実はそれ以上に姿勢のよさは体を健康にし、寿命を長くしてくれると考えられています。
昔の日本では家庭でも学校でも姿勢を正すために1mの物差しを背中に入れて背筋を伸ばさせるようにしたものです。残念ながら時代とともに人々の姿勢の乱れはひどくなり、子どもの姿勢を正そうとする親はずいぶん少なくなりましたが、一度その重要性を知ればお子さまの姿勢をよくしたいと思われるに違いありません。
姿勢が美しいと健康にも良い♪お子さんにも是非正しい姿勢で過ごしてもらいたいですよね。
悪い姿勢が及ぼす影響
背骨を真横から見るときれいな2つのS字カーブが組み合わさってできています。このS字カーブがとても大切なのです。このカーブのおかげで一つ一つの骨が弾力をもって動くことができ、運動や重力によって生じる様々な衝撃を緩和しています。
特に首のアーチは脳を守るクッションの役目をし、腰のアーチは大変重い上半身を支えて全身を負荷から守ります。姿勢が悪いとこれらの大切なクッションが正しくはたらきません。そしてこれらの骨を支えるものは筋肉です。
悪い姿勢は筋肉を弱め肩こりや腰痛の原因となる
正しい姿勢を常に心がけていると、それだけで筋肉の適切な運動が促され、骨を正しい位置に保つだけの筋力が維持されます。ところが悪い姿勢が習慣になっていると筋肉がどんどん弱り、骨を支えることができなくなって背骨は上下の骨と一体化してしまったかのように固まり、S字カーブが次第に失われてきます。結果として肩こりや腰痛を起こしてしまいます。
悪い姿勢は神経に負担をかけ全身の器官に悪影響がでる
それだけではありません。もっと深刻な問題が生じてきます。背骨の中には脳と共に中枢神経を構成する脊髄が通っています。脊髄からは31対の脊髄神経が椎骨と椎骨の間を通って全身に広がっています。神経は木の枝のように枝分かれして、それぞれ肺や胃、心臓、腎臓など全身の器官へと繋がっていきます。
そのため悪い姿勢によって椎骨の間で圧迫された神経は、それが伸びた先にある器官に大きな負担をかけ、大人の健康を害し子どもの発達を妨げてしまうのです。
姿勢が神経に影響をあたえる実験例
腕の良いカイロプラクティックの先生が面白い実験をしてくださいました。
まず、背骨が正しい位置にある姿勢で腕や脚など全身の特定の箇所をさわります。その時はまったく違和感はありません。ところが、ちょっと前屈みになって同じ箇所に触れると不思議と痛いのです。
神経というものは、ほんのわずかな圧迫でも影響を受けているものなのです。ですから姿勢が悪いということは、知らず知らずのうちに背中とまったく離れた部分の筋肉や、大切な内臓の器官にまでも悪影響を与えてしまっているのです。
実際にどのようにお子さんの姿勢を正していけばよいのかを見ていきましょう!
子どもが正しい姿勢を身につけるためには
人は健康的に生活すれば100年ほどの寿命を持っているといわれます。ところが、たくさんの好ましくない生活習慣によって与えられた命を少しずつ削り取ってしまっているので、平均的な寿命は80歳ほどになってしまっています。最近は高血圧や心臓病など、かつて成人病と呼ばれていた病気にかかる子どもたちが増えて問題になっています。
その原因の一つは、姿勢の良さを両親がしっかりとしつけられていないという現代の風潮も関係しているのではないかと感じています。
まずは大人が正しい姿勢の見本を見せてあげる
ここでベビーパーク流の躾が活躍します。子どもへの強制は反感を招きます。何より効果的な躾の方法は、「親が常に見本を見せ続ける」ことです。大人の姿勢が悪いのに子どもの姿勢を正すことは難しいのです。まずは私たち大人の姿勢を見直しましょう。
肩を落とし背骨が曲がっている状態だと、胸郭が圧迫され浅い呼吸しかできません。脳や全身に運ばれる酸素が少ないので生命活動自体が弱っていきます。
これを、意識的に背筋を伸ばし胸と肩を開く、ただそれだけで胸郭が十分に広がり取りこめる酸素の量が格段に増えます。呼吸器や周辺の筋力が強くなり、疲労快復力も増幅されます。
正しい姿勢を保つのがつらい人は、すでに呼吸器やそれを支える筋肉、内臓を持ち上げる筋肉、重力に負けず自分の体重を支える背筋や腹筋の力が弱くなり過ぎていると考えられます。
具体的な姿勢の正し方
具体的な姿勢の正し方は次の通りです。
- まず、目が真正面をみつめるように頭をしっかり起こし、頭のてっぺんを細い糸で真上に引っ張られている感じをイメージします。
- そのまま背骨をまっすぐに伸ばすイメージで背を伸ばし、肩を左右に軽く開きます。実際には背骨はゆるやかなアーチを描きますが私達自身はまっすぐであるように感じると思います。腰の骨と骨盤を上に向かってまっすぐに立てる気持ちで、女性は両膝どうしをつけ、男性は軽く脚を開いても構いません。腰骨をしっかり立てていると脚を組むことができなくなります。脚を組む姿勢は脊椎を迫していますから、できる限り脚を組まないことを心がけましょう。
「正座」の健康効果と具体的な座り方
床に座る時の基本は「正座」がよいと考えられています。
正座は本来、背中のS字カーブが自然に維持できる最も体によい座り方です。正しい正座姿勢ができていればO脚や足が短くなるなどということはありません。
正座で足が痺れるのは足の血管を圧迫してしまうからです。適切な筋肉が育っていれば長時間痺れずに座ることができます。座る時にはお尻の筋肉を引き締め、上に持ち上げるような気持ちで座ります。これだけで体の重心は膝の方に傾き足首の負担を軽減でき、ふとももをスリムにする効果もあります。男性は膝を開いて構いません。
足の裏はかかとを揃えて、なるべく縦になるように意識します。足の甲同士を重ねると足首に体重があまりかかりません。足の重ね方を入れ替えることもできます。
正座中、時折足や足の親指を動かすとしびれ防止になります。ふとももやお尻の筋肉がしっかりはたらいているとさりげなく自然に足先を動かすことができるので、2時間程度は正座を続けても平気なのです。
正しい正座で座ろうと思っても、普段から慣れていなければ必要な筋肉が育っておりません。いきなり無理はせずに最初は2~3分から始めて、少しずつ長い時間痺れずに座れるように心がけてみましょう。慣れないうちはお風呂の湯船の中で正座してみるのもよい方法です。浮力の働きで足に負担をかけずに筋力アップが可能です。
まとめ:子どもの姿勢を正すために、まず親の姿勢を正そう
いかがでしたでしょうか? 子どもに正しい姿勢を伝えるためにもまずは自分の姿勢について見直してみましょう。それは子どものためだけでなく、ご自身の健康にもつながります。
現代社会はどうしてもパソコンやスマホに向かいがちで、姿勢を正すのも最初は大変に感じる人も多いと思います。無理せず少しづつ確実に実践してみてください。
では、次のコラムN0.99【姿勢のよさが子どもの健康を守ります~幼児期からの姿勢のよさがもたらす健康効果~②】では、幼児期の子どもに正しい姿勢を教えていく具体的な方法を掲載していきます。よかったら続けて読んでみてくださいね。
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